第8回 共産党宣言 共産主義の原理
マルクス=エンゲルス著
マルルクスレーニン主義研究所訳
国民文庫=大月書店 の学習
20ページから
それゆえ、各国の労働運動の状態ばかりでなく、大工業の発展の程度は、その国語で普及し
ている『宣言』の部数によって、十分正確にはかるととができる。
したがって、『宣言』の新しいボーランド語版るまた、ポーランド工業の決定的な進歩を意味している。そして、初版発行後の一〇年間にとの進歩が実際におこったことについては、まったくうたがう余地がない。
ロシア領ポーランドすなわちュングレス・ポーランド[一八一五年にウィ1 ン会議の決定で ロシア領に併合された地方]は、ロシア帝国の大工業地帯になった。
ロシアの大工業がばらばらにちらばっている―一部はフィンランド湾のまわりに、一部は中
央諸県(モスクワ県とウラヂミール県)に、一部は黒海とアゾフ海の沿岸に、さらに他の大工業は他のところにーのにたいして、ポーランドの工業は比較的小さな地域に集中されており、この集中からくる利益と不利益とを、同時にもっている。
競争するロシアの製造業者たちは、この利益をよくみとめて、すべてのポーランド人を口シア化しようとする彼らの熱心な希望にもかかわらず、ボーランドにたいする保護関税を要求した。
不利益――ポーランドの製造業者とロシア政府とにとってのは、ボーランド労働者のあいだにおける社会主義思想の急速な普及と『宣言』にたいする需要の増大とにあらわれている。
ロシアの工業をすっかり追いこしているポーランド工業の急速な発展は、しかしそれ自身、ポーランド民族のつきることのない生命力の新しい証明であり、きたるべき民族的復活の新しい保障である。
だが、独立した強大なポーランドの復活は、ポーラ ンド人だけに関係のある問題では、なく、われわれすべてにとっても関係のある問題である。
ヨーロッパの諸民族の真の国際的な協力は、これらの民族のおのおのが、各自の家で完全に自主的になるときに、はじめて可能である。
プロレタリア ートの旗のもとに、結局はブルジョアジーの仕事をプロレタリア ートの闘士にさせたにすぎない一八四八年の革命は、同時に、その遺言執行人であるルイ・ボナパルトとビスマルクとによって、イタリア、ドイツ、ハンガリアの独立を実現した。
だが、一七九二年このかたこれら三つの国民を全部いっしょにしたよりもいっそう革命の事業につくしたポーランドは、一八六三年には、その力を十倍もこえるロシアの暴力にうちまかされ、見すてられてしまった。ボー ランドの貴族は、ポーラ ンドの独立をたもつととも回復するとともできなかった。
ブルジョアジーにとっては、独立は、すくなくとも現在では関心をひかないものである。
それにもかかわらず、ポーランドの独立は、ヨーロッパ諸国民の協力にとって必要なことである。ポーランドの独立は、ポーランドの若いプロレタリアートによってのみ獲得されうるものであり、ブロレタリアートの手中にあるばあいにはじめて確実なものとなる。
なぜなら、ポーラ ンドの独立は、ポーランドの労働者自身に必要であるように、ポーランド以外の全ヨーロッパの労働者にとっても必要だからである。
フリードリヒ・エンゲルス
ロンドン 一八九二年二月十日